2017年4月に宜野湾市嘉数にオープンした「アトリエゆう」。


京都市立芸術大学の元非常勤講師である奥様の毛呂祐子さんが絵画・工作の講師を、任天堂の元ゲームクリエイターであるご主人がプログラミング教室の講師として子どもたちに教えています。


夏休みは絵や自由研究のために、毎年多くの子どもたちがアトリエゆうに集合。絵や工作は1回ごとの支払いで、好きなときに好きなだけ通うこともできるので、親御さんにも優しい教室です。


プログラミング教室では、さまざまなコースを用意。無料体験も実施しているので、小学校で必修科目になる今、お子様に体験させたい親御さんは多いのではないでしょうか。


今回は、絵画・工作とプログラミングで子どもたちの可能性を広げ続けているお二人にお話を伺いました。


【1】アトリエゆうについて教えてください



子どもたちや親子向けに、絵画・工作・プログラミングの教室を行っています。


絵画・工作は夏休みを中心にご利用いただいていて、夏休みの宿題のお助け教室として、さまざまなものづくりを行っています。


絵画だと、夏休みの思い出を書く自由画・読書感想画・交通安全ポスター・夢バス(※1)・沖縄の文化財に関する絵が人気です。


工作では、時計作りが一番人気!さまざまな形の木を装飾して、オリジナルの時計が作れます。


小学生はもちろん、下のお子様も一緒に作ることもありますし、子どもたちが作っている姿に触発されてお父さんやお母さんも一緒になって作ったりしますよ。


親子でコミュニケーションを取りながら楽しんで制作できるので、普段仕事でなかなか子どもと遊ぶ時間が取れない方でも良い思い出づくりになりますよ。子どもと一緒に時計を作っても良いですし、大人の方はハーバリウムやリースなど大人向けのワークショップでリフレッシュしていただくのもおすすめです。


ほかにも楽しみ方は色々あって、「子どもと記念になるものを作りたい」と、小さなお子様の手形・足形入りの時計を作られる方もいます。皆さんオリジナルの可愛らしいものを作られていますね。


時計以外にも、風鈴や切り絵・絵巻物・貝殻プレート・貝殻リース・牛乳パックや空き箱工作・ドライフラワーリース・アクセサリー作りなど、さまざまなものが作れます。


※1 夢バスとは・・・沖縄県バス協会主催の、図画コンクール。沖縄で走ってほしいバスを想像して絵で表現し、最優秀賞作品に選ばれたら路線バス車体へのラッピング、入賞作品はバスの車内へ掲出されます。


【2】沖縄の花を使ったドライフラワーが特徴



大人向けのワークショップは、ハーバリウムやリース作り、つまみ細工などがあります。


アトリエゆうでは、沖縄の花をドライフラワーにしています。季節によりお花の種類は変わりますが、ブーゲンビリアや電照菊、街路樹にあるようなサンダンカという花やシークヮーサーのドライフルーツなどを使い、沖縄ならではのものが作れます。


一般的なハーバリウムは、プリザーブドフラワーという人工的に色を付けた花を使うこと多いのですが、アトリエゆうではすべて天然の花のドライフラワーを使っています。プリザーブドフラワーとは違ったドライフラワーらしい落ち着いた優しい雰囲気のハーバリウムを作ることができます。


作られているものを購入するのももちろん良いと思いますが、自分たちで作ることによって愛着がわいたり、沖縄の花を知ることができたりする良い機会にもなるのではないでしょうか。


実際に職場の方同士で作りに来られる方や、沖縄の花を入れたハーバリウムを記念に作りたいといった観光客の方や修学旅行生の方もこられますね。


母の日の前は、カーネーションのハーバリウムを作りに来る方が多くなります。というのも、カーネーションのドライフラワーは制作が難しく、あまり出回りません。


うちも何度か実験をして、1年目はカビが生えて苦労しましたが、今は1年間綺麗に飾れるくらいのカーネーションのハーバリウムが作れるようになりました。母の日シーズンはネットショップでも販売していて、そのときは購入してくれる方がものすごく多くなります。


つまみ細工は布で髪飾りなどを作るのですが、お子様の卒業式や成人式用にお母様が作られたりしています。 


【3】小さい子がいても利用できますか?



小さいお子様と一緒に親子で体験される方もいます。夏休みは予約が多くて1回4人ずつくらいになりますが、他のシーズンの平日の昼間はほぼ貸し切り状態になりますので、気兼ねなくご利用いただけます。


赤ちゃんは部屋で遊ばせたり寝てもらったりして、お母さんにゆっくり体験してもらうことも可能ですし、3歳くらいのお子様とお母さんが一緒に作ることもあります。


子育て真っ最中の方や仕事と子育てを両立させている方は、さまざまなことに悩んだり疲れてしまったりすると思いますが、こちらでの体験を通してリフレッシュしていただけたらなと思います。近所にお散歩しにいくような、本当に気軽な気持ちで来ていただけると嬉しいですね。


 


アトリエゆうではハーバリウム体験以外に、ハーバリウムの講師資格が取得できます。お母さんが講習を受けている間、赤ちゃんを横で寝かせたり遊ばせたりしても良いんです。赤ちゃんがいるとなかなか資格を取りに行けないと思いますが、そこは遠慮せずに連れてきてくださいねってお伝えしています。 


【4】アトリエゆうを始めたきっかけや経緯を教えてください。



私は京都市立芸術大学で美術教育などに関わると同時に、染織に関する研究員もしていました。その時に、沖縄の染織に関する仕事が増えて毎月のように沖縄に訪れていたんです。とても良いところなので、家族で移住しようかという話になったときに、自分には何ができるのか考えたんです。


もともといろんなジャンルの美術を経験してきていたため、せっかくなら何でもできる教室にしようと思い、今の形のアトリエゆうになりました。


あと、私自身何かを作ったり体験したりするのが好きだったのですが、長女が小さい頃は「子どもを何時間も待たせられない」「一緒に作るのは難しいかな」と思って習い事に行きにくかったんですね。それが叶う教室があったら、私と同じような立場の方に需要があるのではないかなって思いました。


2017年4月にオープンして、その年の夏休みに、沢山の小学生が絵や工作をしにきました。そこで夏休みの宿題って皆すごく困っていることがわかって。工作はほかにも体験できるところはありますが、夏休みの絵を描いても良いですよっていうところはほとんどないと思います。


その日にきて、その日で絵を描き上げて帰ることができる教室は子どもたちのためになるんじゃないかなと思いました。


子どもにどんな絵を描かせたら良いのか困っている方、子どもに絵のアドバイスをしたいけど自分では難しいなという方、時間がなくて一緒に宿題ができない方などいろいろな立場の方がいると思います。


アトリエゆうでは、子どもたち一人ひとりの可能性を広げられるようアドバイスしたり、見守ったりしますので、ぜひ気軽にいらっしゃってください。絵具のレンタルや画用紙の購入などもこちらで行えますので、手ぶらできていただいてもOKです。 


【5】元ゲームクリエイターのご主人がプログラミング講師を担当



もともと京都の任天堂でゲームクリエイターをしていた主人と移住しました。任天堂でさまざまなゲームを作っていた経験を生かして、プログラミングを教えたら良いのではないかと考え、絵画・工作とプログラミングを学べる「アトリエゆう」をスタートさせました。


プログラミングも少人数で行っています。任天堂でゲームを作っていた先生とマンツーマンに近い形でいろいろなゲームが作れる状況です。2020年から小学校で必修化されることもあり、これから学ぶ方がより増えていくのではないかと思います。


また、必修科目になる前に少しでもプログラミングに触れていると、スムーズに取り掛かれるのではないかと思います。



プログラミングには4つのコースがあります。「レゴプログラミングコース」では、レゴブロックでロボットを組み立て、タブレットでプログラミングを行い、通信してロボットを動かします。ほかにも、皆さんがイメージされるようなパソコンに向かってゲームを作るコースや、マウスとキーボードで操作するのが難しい小さなお子様でも可能なタブレットを使ったコースもあります。


上達してくると、少し高度なゲームのプログラミングを行うコースや、プログラミング検定を目指すコースも受けられます。その子によってできることは異なるので、具体的に何年生だからこのコースというのはありません。子ども一人ひとりの成長スピードによって、コースを選択していくことが大切です。


子どもにプログラミングを学ばせたいけど、ほかの習い事もあるし、ずっと続けるのは難しそうだなという方もいると思います。そんな方は、短期教室もおすすめしています。例えば、夏休みには自由研究としてプログラミングを短期体験することができます。


プログラミングって何?どんなことができるの?実際にゲームを作ってみよう!いう流れで体験しながら、自由研究ノートもつけて、学校に提出できるようにするところまでサポートします。


今年の自由研究は子どもに何させよう?と悩んでいる方は、ぜひ体験していただければと思います。


プログラミングのクラスが始まってもうすぐ2年になりますが、はじめの頃から通っている子どもたちが上達していて、せっかくだから検定を取得できるようにしたいなと思い、アトリエゆう内で受けられるようにしました。


出張ワークショップや講座も行っていて、要請があれば講演会なども行っています。最近、クリエイターになりたいという夢をよく聞きます。でも実際にどんな仕事なのかわからない子どもたちも多いので、ゲーム作りの仕事についてなどをお話させていただいています。 


【6】子どもがプログラミングを学ぶメリットを教えてください【講師:毛呂功さん】



子どもがプログラミングを学ぶメリットは2つあります。


1つ目は、早い段階でコンピューターに慣れ親しむことができること。この先、コンピューターなしの世界はありえないと思いますので、子どもたちが成長し、コンピューターを使う立場になったときに、それがどうやって動いているか仕組みを知っておくことは大切だと考えています。


2つ目は考える力が身につくこと。例えば、ゲームを作るには必要な部品がたくさんあります。それぞれの部品が思い通りに動くためには、どんな命令をどんな順番で組み合わせるのか考えて作っていきます。それは、自分がやりたいことを具体的に細かく分解して、それを組み立てていくトレーニングになりますので、考える力を身に付けることができます。


それに近いのですが、プログラミングは実際にやってみた結果をすぐに確認できます。思い通りに動かなかった場合、じゃあどうして思い通りにならなかったのか、何が間違っていたのかを考えます。


この命令の仕組みが間違っていたのかもしれない、じゃあそこを直してみようってまた試してみる、そういう試行錯誤を早いペースでどんどん繰り返すことができるのがメリットだと思います。


比較してよく私が言うのは、お料理。例えば、今日の晩御飯をカレーにしたとします。材料を買って、切って、煮込んで、カレーのルーを入れて出来上がりました。食べてみたときに、「あれ?ちょっと違うな」ってときがあると思うんです。


もしかしたら煮込み時間が足りなかったのかもしれないって思ったとしても、すぐに作り直さないですよね。作り直すと毎日ご飯がカレーになっちゃうので、早くても一週間くらい後になる。このカレーのように、普通の生活の中では「どこが良くなかったんだっけ?」と思ってもすぐにやり直しすることって少ないと思います。


でも、プログラミングの場合は、やってみて、確認して、間違っていたらすぐに直して、また確認してっていうサイクルをものすごく早いペースでやり続けます。そうすることによって、考える力が身につくと私は考えています。


なので、授業の中でうまく動かないといって止まってしまうお子様には、「どこがおかしいのだろう?考えてみて」ってずっと言います。


私が子どもたちに教えているプログラミングは、プログラミングを通して「考える力を育てる」こと。もちろん、「もっと難しいプログラミングをやってみたい!」という生徒さんが出てくるのは嬉しいことですね。 


【7】芸術×プログラミングが合わさることによる強み



ゲームクリエイターという職業は、プログラミングをしてキャラクターを動かすだけでなく、キャラクターデザインや背景のデザインも必要になります。そういう意味で、絵や工作も一緒に教えることができるのは、ここの強みだと思っています。


キャラクターがその色だったら背景はこの色が良いよ!と教えることができるので、プログラミングだけの教室よりもトータルでアドバイスできるのではないかと思います。


【8】子どもと接するうえで1番大切にしていることは何ですか?



絵・工作にしてもプログラミングにしても、学習塾の勉強と違って本人たちが好きな部分を楽しくやってくれたらいいなと思っています。こうしなきゃいけない、あぁしなきゃいけないという答えのない分野になりますので、本人が明確にこれやりたい、あれやりたいと言うときはなるべくその希望を聞いてあげるようにしています。


実際に毎週絵や工作で通っている子達がいるのですが、今週やることを決めていても、「今週おばあちゃんの誕生日があるから誕生日プレゼントにこれ作りたい」と言ってくるときもあって。なるべく希望を聞いてあげるようにして、その子らしさがでるのをサポートしています。


また、絵を書いたり工作をしたりしていて、どうしても時間が無いときは手助けする場合がありますが、そうでない限りは本人の意思と力でやってもらっています。子どもの個性を尊重することを大切にしていますね。


絵・工作にしてもプログラミングにしても、学習塾の勉強と違って本人たちが好きな部分を楽しくやってくれたらいいなと思っています。こうしなきゃいけない、あぁしなきゃいけないという答えのない分野になりますので、本人が明確にこれやりたい、あれやりたいと言うときはなるべくその希望を聞いてあげるようにしています。


実際に毎週絵や工作で通っている子達がいるのですが、今週やることを決めていても、「今週おばあちゃんの誕生日があるから誕生日プレゼントにこれ作りたい」と言ってくるときもあって。なるべく希望を聞いてあげるようにして、その子らしさがでるのをサポートしています。


また、絵を書いたり工作をしたりしていて、どうしても時間が無いときは手助けする場合がありますが、そうでない限りは本人の意思と力でやってもらっています。子どもの個性を尊重することを大切にしていますね。


【9】今後の夢や目標を教えてください。また、子育て真っ最中の親御さんに一言お願いします


 


まだまだ知名度が低く「こんな教室あったんだ!」という方も多くいらっしゃいます。ですので、これから沖縄の方々に知っていただいて、気軽に親子で利用していただくと同時に、観光で沖縄に訪れた方にも足を運んでいただける教室になったらいいな思います。


何かを作りたい、手を動かしたいという方はたくさんいらっしゃると思いますので、「子どもが小さいから…」「時間がないから…」とあきらめずに、ちょっと時間ができたときに親子で気軽にいらっしゃっていただけたらいいなと思います。


あとは、お子様を育てていくうえで、ものを作って何かを考えて手を動かして想像することはとても必要なことだと思いますので、運動系の習い事や流行りの習い事など多くありますが、そういうのばかりではなく、「ものを作る」という習い事も1つの選択肢に入れていただけると、お子様の可能性がもっと広がるのではないかと思います。


アトリエゆう



【住所】沖縄県宜野湾市嘉数1-12-14

【お問合せ】098-897-8930

【HP】http://atelieryu.dip.jp/

【休み】不定休

【駐車場】 4台

【開設時間】 9:00~19:00(要予約)


【facebook】https://www.facebook.com/atelier.yu.okinawa/

【instagram】https://www.instagram.com/atelier.yu/