介護福祉士の仕事内容とは?高齢者に寄り添う介護のスペシャリスト
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士は心身の障害によって日常生活を送ることが困難な高齢者の介護を行ったり、介護を行う家族に対して指導を行う業務を行っています。
介護福祉士は通常の介護とは別に高齢者がその人らしい生き方で日常生活を継続して送れるよう様々な人と協力しながら支援を行います。
身体介助
身体介助は、高齢者の生活において体に触れて行う介助のことを指します。
具体的には以下のようなものです。
起床・就寝介助
要介護者の起床時・就寝時の手助けを行います。
ベッドや布団から起き上がる・座る・移動する動きやその逆の動きなどを支援します。
体位変換
ベッドや布団で横になっている際、長時間同じ姿勢を保っていると床ずれや血行障害などを引き起こしてしまいます。
このような症状を予防するために寝たきりの状態の要介護者には体位変換によって身体の向きを変更する手助けを行います。
移動介助
移動介助では寝た状態から起き上がる動作、座った状態から立つ動作あるいはその逆、歩く動作など人が別の行動を取ろうとするのを支援する介助です。
手助けの際には、個々の要介護者の身体能力を見極めつつ適切な援助をするとともに安全に移動ができるように配慮が必要です。
移乗介助
移乗介助は、ベッドから車椅子へ移る際の手助けを行う介助です。
移動を行うには力だけではなく人体力学の知識を利用して安全に行う必要があります。
歩行介助
歩行の手助けを行うのが歩行介助です。
杖を使用すれば自分で歩くことができる人には見守り歩行介助の技術を使用します。
斜め後ろ側から歩行者を見守る形で寄り添います。
転倒の恐れのある方向に注視しいざという時に支えられるように準備をしておきます。
上記よりも歩行が困難な方には寄り添い歩行介助の技術を使用します。
寄り添い歩行介助では要介護者と同じ進行方向を向きながら身体を密着させ歩行のサポートを行います。
その他にも要介護者と向い合せで歩行介助を行う手引き歩行介助や階段の上り下りの際の介助など歩行一つとっても様々な介助方法があります。
入浴介助
入浴介助では自身で入浴が困難な方のために身体を洗ったり、移動の手助けなどを行います。
浴室は滑りやすくなっているため、転倒して怪我をしないよう細心の注意を払いながら支援を行う必要があります。
清拭介助
清拭介助とは、清潔なタオルと適温のお湯を使用して身体を拭いて清潔に保つ介助のことです。
入浴が困難な要介護者を対象として、腕や足などの一部を行う部分清拭と全身を拭き取る全身清拭があります。
更衣介助
自分自身で着替えが困難な要介護者のために衣服の着脱をサポートするのが更衣介助です。
また着脱の際に、要介護者の肌や傷、アザなど変化がないか注意深く観察しましょう。
身体整容
身体整容は要介護者の身だしなみを整える支援を行う作業です。
歯磨き・洗顔・ひげ剃り・耳かき・爪切りなど自分自身では困難な方のために変わりに行います。
その他にも髪を整えたり、時にはお化粧なども行います。
一見介護とはかけ離れているように見えますが、自分自身が綺麗になっていくのを見るのは嬉しいものです。
自信がつきモチベーションが上がることで、自立心も刺激することができます。
食事介助
一人ではうまく食事をとることが難しい方のための支援を行います。
中には食事をとること自体にモチベーションが上がらない方もいらっしゃいます。
そういった方のためにも明るく声をかけたり、目線を同じ高さに合わせるなど様々な配慮を行います。
それ以外にも要介護者のペース配分や栄養に気をつけながら配食を行います。
服薬介助
服薬介助では要介護者の薬の摂取をお手伝いします。
薬には飲むものや貼るもの、座薬など様々なものが存在します。
それぞれに合わせて適切に支援を行う必要があるほか、容量などの間違いがないように適切に管理が必要です。
また飲み薬の場合は、飲む力が弱まっている方もいらっしゃるため誤嚥が起きないよう注意が必要です。
排泄介助
排泄介助では自力で排泄が困難な方の支援を行います。
トイレへの移動や衣服の脱着、排泄の際の手伝いなどを行います。
寝たきりの方の場合はオムツの交換などを行います。
排泄は要介護者にとって最も介助されるのが嫌なものの一つです。
そのため自分から言い出せない方もいらっしゃるため、そわそわした様子などに気づいたらこちらから声をかけたり、決まった時間に声をかけるなどの配慮も必要です。
生活援助
生活援助では日常生活に欠かせない生活面でのサポートを行う業務です。
サポートの範囲はあくまでも要介護者の範囲でのみ行います。例えばついでに家族の食事や家事などを行うことは範囲外となります。
料理
日常生活に必要な食事の準備を行います。
栄養バランスなどにも考慮しつつ、要介護者の要望も取り入れた食事を提供します。
洗濯
日常で着る衣服の洗濯・洗濯物を干す・畳むなどの一連の作業を行います。
掃除
要介護者が住む部屋の掃除を行います。
各部屋のほか、要介護者の要望を聞きながらキッチン・浴室・トイレなど普段使用している場所を綺麗にします。
買い物
普段使用する日常品の買い物を行います。
料理に使用する食材や調味料のほか、洗剤や浴室・トイレで使用する物、サニタリー用品などを購入します。
買い物は自宅近辺の店舗で行うのが原則で、遠方の買い物については行うことができません。
ゴミ出し
生活で出たゴミを出す業務です。
要介護者が住んでいる地域によってゴミ出しのルールが変わるため、正しい分別や出す曜日を把握し適切に処理を行います。
食材の買い出しの際には栄養面も考慮しつつ要介護者の要望に沿って買う必要があります。
薬の受け取り
移動が困難な要介護者の代わりに病院や薬局などで薬の受け取りを行います。
代行できるのは受診が済んだものに限ります。
介護に関する指導・アドバイス
要介護者と一緒に生活する家族などに対し、介護を行うにあたっての指導やアドバイスなどを行います。
介護をする側の家族は色々な不安を抱えていることが多いため、相談に乗りながらサポートを行う必要があります。
介護福祉士になるには
介護福祉士は社会福祉士・精神保健福祉士と合わせて福祉系三大国家資格と呼ばれており、国が認める国家資格です。
介護福祉士になるにはこの国家資格の取得が必要になります。
国家資格の受験資格を得るには3パターンあります。
1.介護現場で3年以上(実働540日以上)の実務経験
介護の現場で3年以上の実務経験を経たのち実務者研修(450時間)を修了することで受験資格を得ることができます。
働きながら資格取得を目指すことができるのが大きなメリットです。
中には資格取得の支援を行っている職場もあるため求人を探す際に確認するのも良いでしょう。
2.福祉系の高校で知識を学ぶ
福祉系の高校で介護に関する知識を3年間学び卒業することで受験資格を得ることができます。
このパターンの場合は実技試験が免除され筆記試験に合格すれば介護福祉士の資格を得ることができます。
3.養成施設にて知識を学ぶ
2の高校とは別に福祉系の専門学校や大学などで介護の知識を学び、卒業することで受験資格を得ることができます。
こちらも2同様に実技試験が免除されています。
まとめ
介護福祉士は多くの他の国家資格と違い、働きながら資格取得を目指せる珍しい職業です。
高齢化社会を支える介護の世界の中でも介護福祉士はその道のスペシャリストといえます。
資格を取得することで給与にも反映されることが多く、介護の世界で働くことを目指す方であればぜひ取得したい資格です。
人が生きていく中で必ず辿る介護ですが、多くの方の頑張りに支えられています。
興味のある方は目指してみてはいかがでしょうか。
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