作業療法士とは？社会復帰をサポートするリハビリの専門職
作業療法士の仕事内容
作業療法士は病気や怪我によって身体が不自由になった方や精神に障害を持ち思うように動作ができない方に対して、リハビリの支援を行うお仕事です。
海外では「Occupational therapist(オキュペイショナル セラピスト)」といい、略して「OT」とも呼ばれています。
作業療法士は医師の指示のもとに、自身の身体を思うように動かせなくなった方に対して生活をする上で必要な作業ができるようにサポートします。
身体がうまく動かせなくなった方には、その原因を突き止め身体機能を向上させるトレーニングを行います。
精神的なものが原因で身体が動かせなくなった方には精神面の原因に対してサポートを行い治療を行います。
リハビリの訓練としては以下のようなものがあります。
基本動作訓練
基本動作訓練は、ベットでの寝返りや起き上がり・座る動作・立ち上がる動作など生活する上で必要な大きな動作の訓練を行います。
この訓練は主に理学療法士が担当し中心となって行いますが、患者の状態を確認しながら連携して治療を行います。
応用的動作訓練
基本動作訓練は基本的な動作の訓練なのに対し、応用的動作訓練はより細かな動作の訓練が中心となります。
例えば食事・料理・洗濯・掃除・トイレ・入浴・着替えなど日常生活を送るのに必要な動作などがあります。
食事のシーンでは器を取る、箸やフォーク等を使う、口元に運ぶなど細かく腕や手を動かす動作が多く存在します。
そういった作業に対してサポートを行いながらトレーニングをしていきます。
社会的適応訓練
社会的適応訓練では社会復帰に向けた訓練を行います。
通学・通勤時の交通機関の利用訓練、職業訓練を通して就労に向けた訓練を行います。
その他にも地域コミュニティーへの参加や趣味のための訓練など様々な体験を通して社会復帰を目指します。
心理的サポート
身体が思うように動かせない患者は、自信を喪失し精神面でも不安を抱えています。
そういった心の支えとなり、励まし自信をつけさせることも作業療法士の大切なお仕事です。
作業療法士と理学療法士の違い
作業療法士とよく似た職業に理学療法士があります。
同じリハビリ施設で活躍する職業ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
治療する方法の違い
上記でも触れましたが、日常生活を送る上で寝返りや起き上がる、歩くなど体全体を動かす基本的な動作の訓練を行うのが理学療法士のお仕事です。
訓練以外にも、関節可動域が狭くならないようストレッチやマッサージ、物理療法などを利用して身体の身体機能を改善させます。
対して作業療法士では基本的な動作の応用としての作業訓練を行います。
日常生活で行う細かな作業ができるようにトレーニングを行い、患者の復帰をサポートします。
治療する対象の違い
理学療法士が治療を行う対象は身体障害を持つ方なのに対して、作業療法士は精神的な障害を持つ方へのケアも対象となります。
身体だけではなく、心のケアも同時に行えるのは作業療法士ならではのお仕事です。
働く場の違い
作業療法士と理学療法士はリハビリ施設での職場など共通する職場もあります。
ただ上記でも触れた通り、作業療法士は精神的な障害をもつ方も対象となるため精神科などでも活躍することもできます。
作業療法士が活躍する職場
医療施設
医療施設ではリハビリ施設を常設する総合病院やリハビリテーションセンター、小児病院などがあります。
こういった施設では作業療法士の他に理学療法士・柔道整復師なども在籍しており、チーム全体で患者のサポートを行っています。
また精神科病院や精神科クリニックなどでは、統合失調症などの精神障害のある方や認知症の方を対象に心のケアを行いながら作業ができるよう治療を行っていきます。
福祉施設
福祉施設には、特別養護老人ホーム・訪問看護・リハビリ施設などがあります。
主に高齢者を対象に高齢で弱くなった身体機能を向上させための訓練や日常生活の作業を訓練し治療を行います。
介護支援専門員が提案するケアプランに沿った訓練を実施し、患者の状態を確かめながらサポートします。
作業療法士の仕事で役立つ資格・スキル
認定作業療法士
認定作業療法士は日本作業療法士協会が制定している資格で、作業療法士の上位資格に当たります。
定められた研修の受講やレポートを提出することで資格を取得することができますが、難易度は高めのようです。
通常業務のスキルはもちろん後輩への指導方法などを学ぶことができ、取得することでスキルの高さを証明することができ資格を取得することで就職の際には有利に働きます。
資格は更新制となっており、5年に一度の更新が必要です。
まとめ
以上作業療法士についてでした。
理学療法士との類似点も多い作業療法士ですが、役割や対象に違いがありどちらも大切な職業であることがわかります。
患者の日常生活を取り戻す訓練を行い出来なかったことが出来るようになり元気を取り戻していく様子を見ることが出来るのは大きな喜びです。
興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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