貴方は大丈夫? 採用担当者が困ってしまった応募者たち
就職・転職活動は、応募者が就職先(=結婚相手)を探していることから、なんとなく婚活に似ていると思いませんか?
互いのニーズや価値観・タイミングがうまく合えば、採用決定(=婚約)→入社(=結婚)へと進んでいくその様子などからも…。
でも自分のルールや感覚で物事を進めてしまったり、社会的に非常識と思われるような行動や態度で接したりすると、相手は困惑したり不愉快な気持ちを抱き、結果的に不採用(=破談)となってしまう場合もあります。
今回は、採用担当者が困ってしまった応募者の例をいくつか取り上げてみることにします。
「人の振り見て我が振り直せ」ということわざがあるように、他の人の失敗談から学べるものは沢山ありますよね。よかったら参考にしてみてください。
応募書類の不備に困った…
●誤字脱字や記入不足の他、見づらい・読めない文字などが多く見られる
書類に手書きする場合、字は上手・下手ではなく丁寧に書かれているかどうかが重要!
誤字脱字や記入不足は書きながらチェックしていくことでたいていは防げます。それでも心配なら、前もって鉛筆で軽く下書きしてからにしましょう。中には、鉛筆書きのまま提出した応募者もいたようです。気を付けましょう!
●添付すべき書類の不足や、写真・捺印が無いなど
書類が出来上がり発送する直前には、今一度「各書類の記入内容確認と誤字脱字のチェック」「提出書類の不足はないか」などの最終チェックが必要です。
●提出期限があるのに守られていない
提出期限がある企業は、他社と混同しないように細心の注意を!
書類提出後ミスに気付いた場合、すぐに応募者のほうから申し出ること。採用担当者の指示を仰ぎ、必要なら新たな書類の送り直しなど、誠意と意欲を見せることが大切。
文章内容が乏しい(あるいは多すぎる)応募書類に困った…
●箇条書きなど文章が短すぎて、補足説明が無いと理解が難しい内容
●逆に文章量が多すぎて要旨が掴みにくくなっている内容
書き上げた文章(書類)は、可能であれば肉親や知人などに目を通してもらい、客観的な感想を求めてみるのが良いかも。
面接時の遅刻・ドタキャン・すっぽかしに困った…
採用担当者は通常業務でただでさえ忙しい中、応募者との約束の日にち・時間を空けて待っています。さらに、そのための事前準備にも労力や時間を割いています。なので応募者が遅刻やドタキャンをするようなことがあれば、それらの手間や時間を台無しにしてしまうのです。もしも貴方が逆の立場(=面接官や採用担当者)だったら、とても悲しくなりますよね。
●事情にもよるが多くの場合、遅刻NG!
A社「公共交通機関の遅延など、自分の力ではどうにもできない不可抗力であったとしても大規模なものでなければNG。人生の一大事において時間を守れない人は信用できません。」
B社「時間に余裕を持って動くのは当然のこと。もしも面接会場がわかりにくければ、下見をしておくべきです。」
C社「せっかく来たので面接はするけど、それは応募者の気持ちを満足させるため。遅刻者は全員不採用です。」
D社「遅刻の程度や理由、遅刻連絡の仕方・謝罪の内容により、場合によっては許すこともあります。」
企業によって考え方や対応の仕方は様々ですが、不採用になるケースが多いということは頭に置いておきましょう。
●ドタキャン・すっぽかしは最悪!
ある調査によると、面接当日になって急に辞退してきたり、さらには連絡も無くすっぽかされた経験のある企業もけっこうあるようですね。社会人としてモラルを疑いたくなります。
例えば、当日になって子どもが急に発熱。病院に行くためやむを得ず面接を辞退することになったとしても、企業への一報は理由も添えて行うのがマナー。他にも急な身内の不幸や自身の体調不良・ケガなど、仕方のないケースは考えられます。しかしそれでも、相手がいることなので連絡をしなくて良いということにはなりません。事情を知らない企業側はどうしたら良いかわからないし、「もしかしたら、途中で事故に遭ったのではないか…」と心配になることもあるようですよ。
自分が連絡できる状況にあるのなら、面接予定の企業へは必ず連絡するべきです。
面接のマナーを知らない応募者に困った…
●面接開始時の挨拶のマナー
応募者は、必ず立った状態で挨拶すること。「〇田〇夫と申します。本日はよろしくお願いします。」と挨拶した後、「どうぞ、おかけください。」と促されてから腰かけるように。
●話す時のマナー
面接官の目か、それが難しい場合は鼻や口(マスクをしていたらマスク)辺りに、穏やかな雰囲気の目線を向けると良いでしょう。面接官を見ずにまったく別の方向に視線があると、「話を聞いていない」「言葉に真実味を感じない」「自信が無さそう」などの良くない印象を持たれてしまいます。
●服装のマナー
男女とも基本はビジネススーツです。また、服装は自由な所であってもスーツかそれに準じた服装が無難でしょう。服装以外でも髪型・靴・カバン、女子ならメイクも含め、全体的なバランスや清潔感がとても重要です。それらをふまえてコーディネートしてくださいね。
連絡のつかない応募者に困った…
「面接時に遅刻」のようなケースではもちろんのこと、面接結果の通知や入社直前の伝達など、様々な状況で採用担当者は連絡を取りたいと思っているのに、繋がらなくなってしまった応募者もけっこういるようです。
●応募者側の理由として主なもの
「知らない番号の電話には出たくないから」
応募した企業の連絡先は、その就活期間中くらい電話帳にきちんと登録しておくのは当然。それだけで「知らない電話番号」ということにはならなくなります。
「就職・転職活動を進めていく中で志望する企業が変わったから」
就職・転職活動中に、働きたい会社が変わっていくのは珍しいことではありません。実際に面接を受けてみたら「自分が思っていた会社のイメージとは違った。」というのはよくあるからです。しかし、もらった連絡に対して無視を決め込むのは失礼!「申し訳ございません。応募を辞退させてください。」など、きちんと話をするべき。
不採用の理由をしつこく問い合わせてくる応募者に困った…
●企業は「不採用の理由を明かしたくない」ということを知っておくべき
面接の結果、不採用になってしまったら落ち込みますよね。それが第一志望の企業であればなおさらのこと。自分のどこがいけなかったのか。あるいはあの時、「○○と答えておけば良かったのだろうか…。」など、考え込んでしまいます。そしてどんどん深みにはまって、次の企業の面接でも同じようなミスをしてしまうのではないかという不安に苛まれる可能性もあります。「だから理由が知りたい!」その気持ち分かります。でもね…。
まず、「不採用になった理由を企業に聞いても良いか?」についてですが、結論から言ってしまえばマナー違反ではありません。ただし、必ずしも企業側から回答がもらえるとは限りません。むしろ回答してもらえることのほうが少ないのではないでしょうか。なぜなら、企業側には不採用の理由を教える義務がないからです。それに不採用理由を教えるということは、逆に採用基準を漏らしてしまうことにもなるからです。なので企業としては、不採用の理由を教えたくないのです。
不採用になった理由をしつこく聞いてくる応募者に対して、企業側は強い拒否感を持つでしょう。そうなると聞き出すことはおろか、貴方のイメージそのものが悪くなってしまいますから、その前に引き下がるほうが賢明だと思います。
最後に
企業が求める人物像は、それぞれの企業が有する特徴や雰囲気・思想などにより様々です。従って正解は一つではありません。
しかし近い将来において、もしかしたら自分達の仲間になるかもしれない人が応募者として面接にやって来るわけですから、企業側としてはまず基本的な常識やマナー、そしてちょっとした気遣いができる人の中から選考しようとするのは、当然のことといえます。貴方も採用担当者(=相手)の立場になって考え行動してみることで、「採用→入社(=婚約・結婚)」への道に近づいていくのではないでしょうか。
ただし、結婚することそのものがゴールではなく、さらにその先に長い結婚生活があるように、採用通知をもらい入社することが就職・転職活動の本当のゴールではありません。むしろ、そこから始まる会社員生活のスタート地点に立つことができただけだと考えるべきです。
その長い会社員生活を充実させるためにも、就職・転職活動の期間は「常識」「マナー」「気遣い」を養う大切な時間として過ごしてもらえたなら、きっとすばらしい会社員に成長していけるのではないでしょうか。
貴方の成功、お祈りしています!